研究課題/領域番号 |
14780354
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中島 義裕 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40336798)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 相関次元分析 / 金融市場 / マーケット・マイクロ・ストラクチャ / 経済物理学 / 市場間競争 / エージェント・ベースド・シミュレーション / U-Mart / 人工市場 |
研究概要 |
昨年までの研究に引き続いて、時系列分析、人工時系列の作成、人工先物市場U-Martシステムを利用したシミュレーションを行った。時系列分析としては、大学院生の植木氏との共同開発によりInternetを巡回し定期的に株価や先物の価格情報を収集するプログラムを完成させ、任意の高頻度データを収集できるようになった。これらの方法によって得られたデータや市販されているデータ、及び人工市場による実験データを利用して比較分析を行っている。また、頻度分布の形状を維持しながらも、分散や傾きなどのパラメータを操作する人工時系列データの作成プログラムを完成させた。人工先物市場は、現物価格として利用される時系列を入力とし、取引を行うエージェントの組み合わせを内部状態とする入出力システムとみなす事ができる。様々なカテゴリーの時系列を分析した結果と、それに基づいた人工時系列を利用して、入力される価格の時系列や内部状態の変化がエージェントの投資パフォーマンスにどのような影響を与えるか評価した。より高度なアルゴリズムを持つエージェントを組み込んだ所、昨年得られた結果はトレンドが上昇傾向にあるか下降傾向にあるかが重要なファクターであったのに対し、今回はトレンド変化の有無が決定的な役割を果たした。 人間を利用した実験も行った。マシン・エージェントが投資している中に20人規模のヒューマン・エージェントを加えた実験を行った所、投資効率の面では両者にそれほどの違いがない事がわかった。他の実験では情報が極端に少ない場合よりも、多くの曖昧な情報が与えられた方が行動にブレが生じやすい事も明らかになった。人間による実験や情報収集プログラムを利用して得られた時系列ついては、ほぼ分析を終えておりまもなく発表する予定である。
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