• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

原子力の社会受容性についてのマルチエージェントシミュレーション解析

研究課題

研究課題/領域番号 14780368
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 社会システム工学
研究機関文部科学省科学技術政策研究所

研究代表者

大森 良太  文部科学省科学技術政策研究所, 科学技術動向研究センター, 主任研究官 (10262049)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード原子力 / 社会受容性 / マルチエージェントモデル / 社会シミュレーション / 社会ネットワーク / 認知心理的効果 / 人工社会 / メディア / 原子力エネルギー / 社会受容 / マルチエージェント
研究概要

本研究は,原子力の社会受容性に関するこれまでの研究成果知見を基に,その形成メカニズムをマルチエージェントモデルで表現した試みである.原子力は,専門性が高い上,日常生活において直接的に触れる技術ではないために,大多数の一般公衆は原子力についての評価を,自らの直接的な知識や経験に基づいて行うのではなく,他人との意見交換やマスメディアなどから得た情報を基に行うと考えられる.そこで,本研究では,1)固有の原子力風土を有する社会における原子力世論の形成プロセスを,国,企業,地域コミュニティーなどからマスメディア等を通じて発信される原子力情報の社会構成員による認知,交換,伝播過程とみなし,2)個人により認知された原子力情報が,社会コミュニケーションを通じて伝播しながら個々の構成員の原子力好感度に影響を及ぼし,マクロ的な原子力受容度が形成される過程を人工社会モデル(マルチエージェントモデル)により定式化し,3)シミュレーション解析により,当該社会の原子力世論の社会ネットワーク構造,認知心理的因子,メディアの影響等に関する解析結果を示した.原子力の社会受容性について,このような様々な要因をプログラムに導入した数理解析例はこれまでにないものであり,また,P. Slovicらによって指摘された認知心理的効果等を再現できた.
本研究のようなモデル構築自体には,これまでの多面的な研究成果を整理し,分かりやすく示す効果がある.また,個々の要因の影響を定量的に解析することも容易である.原子力世論の形成メカニズムや特性に関する「システム的な理解」にこのようなモデリング手法は有益である.特に,本手法はマルチエージェントモデルを採用しているため,エージェント間のネットワーク構造,相互作用を容易に,モデルに導入できる.
ただし,本稿で示した結果は創発的なものとは言い難い面もある.マルチエージェントシミュレーションの強力さはミクロ的な素過程からは予期できないマクロ構造の発現にあるという見方に従えば,今後はエージェントのさらなるグルーピングや認知心理的効果の非線形性なども考慮した解析が必要と考えられる.

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] R.Omori: "Systems Analysis of Public Opinion towards Nuclear Energy Using Multi-agent Model"European Nuclear Society PIME2004. 164 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 大森 良太: "高レベル放射性廃棄物処理の動向と課題-技術的および社会的諸相を巡って"科学技術動向. No.14. 17-24 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi