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貝類による陸上起源有機物の除去量の推定

研究課題

研究課題/領域番号 14780413
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 環境動態解析
研究機関京都大学

研究代表者

笠井 亮秀  京都大学, 農学研究科, 助教授 (80263127)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード二枚貝 / 有機物 / 汽水湖 / 安定同位体比 / シジミ / 干潟 / 内湾環境 / 河口域
研究概要

ヤマトシジミの餌資源を特定することは,資源管理,水質環境保全の両面から意義深いものと考えられる.最近の研究により,河口域に生息するヤマトシジミはあまり餌の選択を行わず,上流側に生息する個体ほど陸上有機物を多く同化することが明らかとなっている.しかし汽水湖に生息するヤマトシジミの食性についてはよく分かっていない.本研究では,小川原湖,十三湖,宍道湖のヤマトシジミの餌資源を安定同位体比分析から推定し,河川棲のヤマトシジミと比較した.
観測は,2004年7月16〜21日,7月21〜25日,8月2〜5日にそれぞれ小川原湖,十三湖,宍道湖で行った.湖内の複数点においてヤマトシジミと水を採取し,水温,塩分,クロロフィル濃度の測定を行った.そして,採取したヤマトシジミ,底生珪藻と水中の粒状有機物について安定同位体比分析を行った.
得られたヤマトシジミの同位体比について判別分析を行った結果,小川原湖,十三湖は大きく2つのグループに分けられ,宍道湖は3つのグループに分けられた.いずれの湖においても,流入河川に近いヤマトシジミほど同位体比が低くなり,特に十三湖ではその傾向が顕著であった.同位体比を基にヤマトシジミの餌資源の寄与率を求めたところ,十三湖の一部を除いて植物プランクトンの寄与率が6割以上と高かった.クロロフィル濃度は,小川原湖と宍道湖では流入河川より明らかに高かったが,十三湖では河川とほぼ同程度であった.また,塩分から河川水の平均滞留時間を見積もると,小川原湖で366日,十三湖で2日,宍道湖で87日となった.すなわち十三湖では,河口域同様水の入れ替わりが速く植物プランクトンの生産がおさえられているため,ヤマトシジミは陸上有機物を多く摂取せざるを得ない.一方,小川原湖や十三湖では水が滞留することで植物プランクトンが豊富に発生し,それがヤマトシジミの餌資源となっていると考えられる.

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] Utilization of terrestrial organic matter by the bivalve Corbicula japonica estimated from stable isotope analysis2005

    • 著者名/発表者名
      Akihide Kasai
    • 雑誌名

      Fisheries Science 71

      ページ: 151-158

    • NAID

      10013813941

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Selection of food sources by Ruditapes philippinarum and Mactra veneriformis (Bivalva : Mollusca) determined from stable isotope analysis2004

    • 著者名/発表者名
      Akihide Kasai
    • 雑誌名

      Fisheries Science 70

      ページ: 11-20

    • NAID

      10012490382

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] Akihide Kasai: "Selection of food sources by Ruditapes philippinarum and Mactra veneriformis (Bivalva : Mollusca) determined from stable isotope analysis"Fisheries Science. 70. 11-20 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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