研究課題/領域番号 |
14780425
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高木 基裕 愛媛大学, 農学部, 助教授 (70335892)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | マイクロサテライト / ウミタナゴ科魚類 / 端脚目甲殻類 / 沿岸生態系 / 遺伝的多様性 |
研究概要 |
本研究では、遺伝的多様性解析による沿岸生態系の人為的影評価手法の確立をめざし、本年度は昨年度に引き続き、端脚目甲殻類のトゲワレカラのマイクロサテライトマーカー座の開発を行うとともに、魚類のウミタナゴとトゲワレカラ集団の遺伝的多様性解析を行なった。 ウミタナゴにおいてマイクロサテライトDNA多型解析を行ったところ、採集地により遺伝的多様度は顕著に異なり、わが国における分布の南限に近い集団において遺伝的多様度の指標であるアリル数、ヘテロ接合体率ともに顕著に低かった。このことは、創始者効果およびそれに引き続いて集団が隔離されたことによると考えられた。遺伝的距離のデンドログラムを作成したところ、それぞれの集団間の遺伝的距離は大きく、5集団それぞれが異なることが示唆された。 トゲワレカラのマイクロサテライトマーカー座の開発を行い、設計したプライマー組のうち、3個において多型を示すPCR増幅断片が得られ、これらをトゲワレカラマイクロサテライトマーカー座(Csc-1^*、-2^*、-3^*)とした。日本各地の沿岸域より採集したトゲワレカラのマイクロサテライト多型解析を行ったところ、採集地点により遺伝的多様度が顕著に減退した集団が認められ、これらの集団の遺伝的多様度の減退は過去の汚染等による個体数の減少(bottleneck effect)による可能性が示された。 上記のマイクロサテライトDNAマーカーと沿岸生態系の指標種を組み合わせた研究は、遺伝的多様度について精度の高い結果がとれる可能性が示され、今後の人為的環境影響評価の分野における重要なテーマであることが示唆された。
|