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免疫機能に対する大気汚染物質と光の複合影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14780427
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 環境影響評価(含放射線生物学)
研究機関静岡県立大学

研究代表者

伊吹 裕子  静岡県立大学, 環境科学研究所, 助手 (30236781)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード多環芳香族炭化水素 / benzo[a]pyrene / 紫外線 / 遅延型過敏症 / contact hypersensitivity / 複合影響 / DNA二重鎖切断 / 8-oxo-dG
研究概要

多環芳香族炭化水素(benzo[a]pyrene(BaP))と紫外線(UVA)の免疫機能への複合的影響を検討するにあたり、まず培養細胞(ヒト正常皮膚細胞、ヒト白血病細胞)さらに、DNA修復に関与する分子Ku80の欠損株(CHO-K1,xrs-5)を用いてin vitroにおけるその影響を検討した。BaP、UVA単独では影響が認められないが、それら2つを複合作用させると非常に強い毒性が認められた。xrs-5細胞ではCHO細胞に比べ有意な毒性の亢進が認められたことから、BaP, UVAの複合作用によりDNA二本鎖切断がおこっていることが示された。また、発がんの代表的な指標とされる酸化DNA、8-oxo-dGの産生が有意に上昇していた。これらの結果は、BaPとUVAの複合的影響による細胞毒性上昇から免疫能低下の可能性を示唆するばかりでなく、DNA損傷からの皮膚発がんの誘発を示唆するものであった。
そこで、マウスを用いたin vivo実験を行った。マウス背中皮膚にBaPを塗布後、さらにUVAを照射し、その後の免疫能の変化をDNFBを抗原とする遅延型過敏症contact hypersensitivity (CHS)の誘導能を指標に検討した。BaP、UVA単独ではCHSの誘導能は変化無かったが、複合処理では明らかなCHSの低下を示した。その低下は、照射側および照射側とは逆の腹側にDNFBを塗布した場合両方とも引き起こされた。さらに、DNFBを接触させる時間をBaP, UVA処理後1,3,5日間と変化させると、1日後よりも3,5日後の方が強いCHS誘導の低下を示した。しかしながら、BaPとUVAの処理回数を複数回に増やしても、CHSの誘導能の低下の度合いは変化しなかった。以上の結果は、BaPはUVAと複合的に働くことにより強い免疫低下を誘導すること、その低下は局所にとどまらず、全身性の低下をも引きおこすことが判明した。また、影響は少なくとも照射後5日間は継続することが示された。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Ibuki, T Warashina, T.Noro, R.Goto: "Coexposure to benzo(a)pyrene plus ultraviolet A induces 8-oxo-7,8-dihydro-2'-deoxyguanosine formation in human skin fibrobrasts : preventive effects of antioxidant agents."Environ.Toxicol.Pharmacol.. 12. 37-42 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] T.Toyooka, Y.Ibuki, N.Ohashi, R.Goto et al.: "DNA strand breaks result in augmentation of cytotoxicity induced bycoexposure to benzo(a)pyrene plus UVA"生化学. 75(8). 897 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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