研究概要 |
平成15年度 1.転写超子ATF-2の転写活生化ドメインDNA結合ドメインとの複合体の立体構造と構造変化 ATF-2は転写の不活性化状態では、分子内相互作用(ドメイン-ドメイン間)によりそれぞれのドメインが持つ機能をマスクしている。この複合体の構造を決定するために、それぞれの大腸菌大量発現系による目的蛋白質を発現させ、精製を行った。その立体構造解析には500Mhz,600Mhzを使用した。NMRでは分子量増大に伴うNMRシグナルの複雑さとDNA結合ドメイン側の溶解度の低さからシグナルの解析は不可能であった。次に転写活性化ドメインとDNA結合ドメインとの共発現系を作製して複合体形成を大腸菌内で試みた。その結果、構造安定化に伴うNMRシグナルは得られなかった。 2.ATF-2のDNA結合ドメインをとE1A-CR3領域との相互作用 アデノウイルスの初期遺伝子産物であるE1AはCR3領域を介してATF-2のDNA結合ドメインと直接相互作用する。この相互作用をNMR法によって解析するためにCR3、CR23、CR123の相互作用部位を含む3つの領域の発現系を構築した。さらに溶解度の低いそれぞれの領域とATF-2のDNA結合ドメインとの共発現系の作製も行った。不溶性としか得られないE1A由来の蛋白質の発現は、共発現系においても改善されずATF-2と共に不溶性画分に移行してしまった。 3.転写因子ATF-2の転写活性化ドメインとp38との複合体解析 ATF-2をリン酸化することが知られるp38キナーゼとの複合体解析を行うために、p38キナーゼの大腸菌大量発現系を作製して、現在目的蛋白質の単離・精製を行っている。
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