研究課題/領域番号 |
14780484
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹澤 大輔 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20281834)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | カルシウム / カルモジュリン / プロテインキナーゼ / プロテインホスファターゼ / ヒメツリガネゴケ / カルシウム結合タンパク質 / CaMキナーゼ |
研究概要 |
植物のストレス応答におけるカルシウム依存的リン酸化の果たす役割について解析する事を目的とし、植物カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ「CCaMK」に着目して生理生化学的解析を行った。植物では細胞質カルシウム誘導を引き起こす低温処理やアブシジン(ABA)酸処理により凍結や乾燥への耐性が増加することから、この過程におけるCCaMKの動態を解析した。 1)タンパク質の解析により、植物CCaMKのカルモジュリンと自己リン酸化による制御について明らかにした。また、カルシウム依存的な酵素の失活に関わる自己リン酸化部位を特定した。GUSを用いたプロモーター解析から、CCaMKがガメトフォア中心部でより強く発現することが明らかとなった。 2)ヒメツリガネゴケにおいてABA、低温処理により誘導されるストレス関連遺伝子についての発現解析を行い、それに伴う細胞内の形態的特徴の変化と耐凍性の増大について解析した。これらのストレス応答はCaM拮抗剤やホスファターゼ阻害剤によって阻害される一方、プロテインキナーゼ阻害剤では耐凍性はむしろ増加した。解析の結果、ABA処理によりCCaMKタンパク質の迅速な分解が起こることが明らかとなった。 3)ABA、低温応答におけるカルモジュリンの役割をさらに発展させるため、新たに、カルモジュリンと結合するタンパク質の網羅的解析を行った。その結果、ABA、低温応答に関わる事が知られているプロテインホスファターゼ2C遺伝子が同定された。 これらの結果から、植物のストレス応答過程では、成長の停止とともにCCaMKのカルシウム依存的な失活と分解がおこり、プロテインホスファターゼカスケードを経てストレス関連遺伝子が発現されるという作業仮説を構築した。
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