研究課題/領域番号 |
14780488
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
深田 正紀 名大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (00335027)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 低分子量G蛋白質 / Cdc42 / Rac1 / IQGAP1 / CLIP-170 |
研究概要 |
創傷の治癒過程や発生過程において細胞は極性をもって運動する。この極性形成や細胞運動には微小管とアクチン細胞骨格の協調した再編成が重要である。一方、低分子量GTP結合蛋白質Rhoファミリー(Cdc42,Rac1,RhoA)は細胞極性を制御していることが報告されているがその分子メカニズムはやはり不明であった。 本年度はCdc42とRac1の標的蛋白質IQGAP1の新規結合蛋白質としてCLIP-170を同定した(Fukata et al. Cell 2002)。CLIP-170は伸長する微小管のプラス端に濃縮し、特定の細胞表層を認識し、微小管を配向、アンカーさせ、細胞極性形成に重要な役割を果たしていると考えられていた。私共はin vitroとin vivoのどちらの系においても活性型Rac1/Cdc42、IQGAP1及びCLIP-170が3者複合体を形成し、IQGAP1とCLIP-170の結合が活性型Rac1と活性型Cdc42により促進されることを明らかにした。さらに、ドミナントネガティブ型IQGFAP1を発現させることにより、CLIP-170の動態が阻害されることも見出した。 微小管の細胞表層での捕捉機構は長らく細胞生物学上大きな謎であったが、本研究によりRhoファミリー(Rac1/Cdc42)と標的蛋白質IQGAP1による分子機構が初めて明らかになった。本研究成果は細胞極性形成機構を理解する上でも極めて重要であると考えられる。 したがって、本年度の研究計画は達成できたと考えている。
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