研究概要 |
前年度までに、AZ2が核に主に局在するタンパク質であること、またAZ2の186番目のセリンが細胞内でリン酸化され、そのリン酸化酵素はCasein Kinase II(CKII)である可能性が非常に高いことを明らかにした。今年度は、以下のことを行った。 AZ2を3つの領域.(1〜32,33〜97,98〜189アミノ酸)に分割し緑色蛍光タンパク質(EGFP)に連結させ、その細胞内局在を調べ、どの領域がAZ2の核局在に重要であるか解析した。その結果1〜32および33〜97をEGFPに付加したものは細胞質と核の両方に存在している細胞がほとんどであるのに対し、C末端の98〜189領域を付加したEGFPは核局在するものが増加した。このことはAZ2のこのC末端領域が核局在に重要であることを示唆するものである。現在さらに詳細に解析中である。次に、AZ2の核局在をより詳しく解析するためにNIH3T3細胞にEGFPとAZ2の融合タンパク質(EGFP-AZ2)を発現させ、核を染色試薬Hoechst33342で染色しHoechst33342とEGFPの蛍光の局在を蛍光顕微鏡で高倍率にて生細胞を解析した。その結果、興味深いことに核内のAZ2はクロマチンがあまり凝集していないいわゆるユークロマチン領域に局在していたことを見出した。このことはAZ2がユークロマチンと相互作用している可能性を想像させる。現在核内でAZ2と相互作用するタンパク質をTandem Affinity Purification(TAP)株などにより探索している。さらに細菌EGFP-AZ2を発現させた細胞にプロテアソーム阻害剤MG132を添加するとAZ2の核局在が増強されることを見出した。このことについても解析中である。
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