研究課題/領域番号 |
14780498
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
泉 雅子 独立行政法人理化学研究所, 加速器利用展開室, 先任技師(研究職) (00280719)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Mcm10 / DNA複製 / 細胞周期 / 染色体複製 / GFP / ユビキチン |
研究概要 |
Mcm10はDNA複製開始に必須の因子であり、ヒト培養細胞において、細胞周期に依存した細胞内局在の変化、リン酸化状態の変化、蛋白質レベルの変動が観察されている。また、本課題において、Mcm10が複製開始の30分ほど前に複製部位にリクルートされること、また複製開始後に複製部位から遊離することが明らかになり、Mcm10が複製前複合体の活性化に関与することが示唆されている。 Mcm10の生化学的性質を明らかにするために、Mcm10を大腸菌やバキュロウイルスで過剰発現させ、精製・解析することを試みた。しかしながら大腸菌で発現させたMcm10は可溶化させることができず、またバキュロウイルスの発現系ではMcm10が分解し、解析に耐えられる精製標品が得られなかった。そこで、試験管内の転写翻訳系を用いてMcm10を合成、精製した。試験管内の転写翻訳系を用いて合成したMcm10は非常に大きな複合体を形成していたが、0.3M NaClで解離してモノマーになった。しかしながら、界面活性剤(1% Triton)では解離しなかった。 一方、ヒト培養細胞のMcm10を0.3M NaClで可溶化した場合は、モノマーとして存在していたが、界面活性剤で可溶化した場合は、大きな複合体のまま可溶化された。従って、上記の試験管内の転写翻訳系で観察されたMcm10の挙動は、細胞内でのMcm10の挙動と似ており、何らかの生理的意義を反映しているものと考えられる。本課題における解析から、Mcm10はレプリコンあたり相当数の分子が結合していることが明らかになっており、細胞内でマルチマーを形成し、多くの複製因子と相互作用している可能性が示唆される。
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