研究課題/領域番号 |
14780511
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橘木 修志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70324746)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 視細胞 / 錐体 / 桿体 / 細胞内情報伝達 / GPCR / GRK / リン酸化 / 酵素活性 |
研究概要 |
本年度は、当初の計画通り、(1)「活性型光受容蛋白質のリン酸化反応速度の厳密測定」、および(2)「G蛋白質活性化反応の違いに関する解析」を行った。 (1)を行うため、反応を迅速に停止する装置を作成し、これを用いてリン酸化反応の過程を高い時間分解能で測定した。その結果、錐体では桿体と比べるとリン酸化反応の速度が約20倍早いことが解った。錐体でリン酸化が早い原因を解析したところ、錐体のキナーゼ活性が桿体と比べると500倍も高いためであることが解った。そこで次に、錐体の高いキナーゼ活性は、錐体で発現しているキナーゼの量が多いためなのかどうかを検討したところ、錐体では桿体と比べると約10倍の量のキナーゼが発現していることを明らかにした。また、この量の違いに加えて、錐体型キナーゼは桿体型キナーゼよりも一分子あたり約50倍も活性が高いことが解った。以上のことから、錐体におけるキナーゼ活性の高さは、量・質の両面での違いから生じることが明らかになった。 (2)「G蛋白質活性化反応の違いに関する解析」の予備実験を行ったところ、当初計画した細胞膜試料を用いた実験系では解析が困難であることが解った。そこで、計画を変更し、再構成系での実験を行うことにした。このため、錐体・桿体G蛋白質を精製する方法を確立し、今後の解析を可能にした。 この他に、錐体・桿体の応答の回復速度の違いに関係する(1)Guanylate CyclaseによるcGMPの合成反応の速度、および(2)G蛋白質αサブユニットにおけるGTPase反応の速度が、2種類の細胞で異なっているかどうかを検討した。その結果、これらの反応についても錐体・桿体の応答特性に対応した性質の違いが見られた。今後、その分子メカニズムを解明していく予定である。
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