研究課題/領域番号 |
14780542
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 博幸 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10243271)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | タンパク質膜透過 / SecY / SecE / SecA / X線結晶解析 / 蛍光共鳴エネルギー転移(FRET) / クライオ電子顕微鏡 |
研究概要 |
(目的)タンパク質膜透過反応は、膜透過「チャンネル」を介して起こる。膜透過チャンネルは、膜の透過障壁としての機能を保ちつつ、巨大なタンパク質分子を膜透過させる極めて厳密なゲート制御の機構を保持しているが、その実体は不明である。膜透過反応を分子レベルで理解する為には、膜透過チャンネルの構造生物学的解析は欠かせない。主要な構成因子であるSecYは10回の膜貫通領域を持つ疎水的なタンパク質であり、大量発現、精製等には多くの困難を伴う。本研究では、タンパク質の精製・結晶化に有利であると考えられる高度好熱菌Thermus thermophilus HB8を材料として、SecYE膜透過装置の構造生物学的解析を目的としている。 (成果)昨年度までに、高度好熱菌T. thermophilus HB8由来のSecYE複合体(TSecYE)の過剰発現用プラスミドの構築、発現系の改良、精製系の確立に成功し、純度95%以上のT. SecYE複合体をmg単位で精製できる系を確立した。精製T. SecYEを組み込んだ再構成プロテオリポソームを用いたin vitro膜透過実験より、精製TSecYE複合体は、TSecA, ATPに依存したタンパク質膜透過活性を保持していることを明らかにした。TSecYE複合体の結晶化を種々の条件で検討し、現在までに6Åの反射を与える結晶を再現性よく得る条件を決定した。現在、さらなる条件検討を進めており、今後の構造解析に期待が持てる。平行して、膜透過駆動モーターTSecAATPaseの発現精製系も確立し、その立体構造をX線結晶解析により決定した。単量体の構造は、先に報告された枯草菌の構造と類似していたが、2量体の形成の様式が全く異なるという特徴が見られた。立体構造を基に、作製したモノシステイン変異体を用いた架橋実験より、我々が決定した2量体が、溶液中で存在していることが明らかとなった。
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