研究課題/領域番号 |
14780550
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
矢野 正人 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (60315299)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ミトコンドリア / タンパク質輸送 / Tom20 / AIP / プレ配列 / シャペロン / TPRモチーフ |
研究概要 |
ミトコンドリアタンパク質はサイトソルにおいてミトコンドリア標的化シグナルを持つ前駆体として合成され、分子シャペロンなどのサイトソル因子に依存してミトコンドリアへと運ばれる。ミトコンドリア外膜上にはこれらの前駆体の膜透過に関わる装置Tom複合体が存在する。それちのうち、Tom20は前駆体タンパク質を認識するレセプターとして働く。前年度の研究において、Tom20に結合するサイトソル因子AIPがミトコンドリアタンパク質の輸送に関与することを示す知見が得られつつあった。本年度も主にこの研究を引き続き行い、以下の新たな知見を得た。(1)細胞内のAIPの量をRNA interferenceにより減少させた細胞では、前駆体タンパク質のミトコンドリアへの取り込み量が減少した。(2)ウサギ網状赤血球ライセート中で合成した前駆体タンパク質を室温で放置すると、前駆体のミトコンドリアへの輸入能力は低下するが、このときAIPを添加することで、これが部分的に抑制された。(3)AIPは様々なミトコンドリアタンパク質の前駆体に特異的に結合した。以上の結果および前年度の研究結果から、AIPは、ミトコンドリアタンパク質をミトコンドリアに取り込まれやすい安定な状態に維持することで、それらのミトコンドリアへの取り込みを効率化していることが明らかになった。これらの結果は2003年のJournal of Cell Biologyに掲載された。なお、細胞内AIPを低下させた細胞株にアポトーシス刺激を加えるなどの実験により、AIPがアポトーシスに伴うタンパク質のミトコンドリア局在化に関与する可能性を検討したが、現在までにAIPがアポトーシスに関与することを示す明確な結果は得られていない。
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