研究課題/領域番号 |
14780586
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京工業大学 (2003) 藤田保健衛生大学 (2002) |
研究代表者 |
鈴木 崇弘 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (70298545)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Tyrosine hydroxylase / Nurr1 / ATF-2 / NGF / MEK / Tyrosine Hydroxylase |
研究概要 |
転写因子ATF-2は、Nurr1遺伝子発現調節領域に存在するcAMP応答配列(CRE)に結合することが報告されており、かつ神経の発達に重要であることが示唆されている。前年度の成果として、ATF-2は、チロシン水酸化酵素(TH)の遺伝子発現調節領域に存在するCREに作用して、THの発現誘導に関わることを示した。神経発達期に重要である神経成長因子(NGF)は、Nurr1の発現誘導とATF-2のリン酸化上昇の両方を引き起こすことから、本年度はNGFによるTHの発現誘導機構を解析した。 PC12D細胞においてNGF刺激により誘導されるTH mRNA量の増大は、MEK阻害剤であるU0126で前処理することで抑制されたが、p38 MAPK、PI3K、およびPKAの阻害剤では抑制されなかった。また、ルシフェラーゼレポーターアッセイを行った結果、U0126は、NGFにより誘導されるTHプロモーター活性の上昇を抑制し、その濃度依存性はERK1/2リン酸化誘導の抑制と一致していた。野生型Rasおよび活性化型MEK1の一過性過剰発現によりTHプロモーター活性は上昇し、不活性化型Rasの過剰発現によりNGF刺激によるTHプロモーター活性の誘導は抑制された。さらに、NGFはTHプロモーターに存在するAP-1応答配列とcAMP応答配列(CRE)の両方に対してRas-MEK依存的な活性化を行っていた。 以上の結果から、NGFによるTH発現誘導にはRas-MEK経路の活性化が必要であることが示され、この成果を論文として発表した。Ras-MEK経路は、ATF-2の転写活性を制御することが示唆されており、Ras-MEK経路によるATF-2およびNurr1の機能制御がTHの発現誘導に作用する可能性が考えられた。
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