研究課題/領域番号 |
14780593
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
村田 茂穂 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20344070)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ユビキチンリガーゼ / タンパク質品質管理 / 分子シャペロン / 小脳失調 / ノックアウトマウス / 品質管理 / シャペロン / ストレス / 神経変性疾患 |
研究概要 |
昨年度にすでにタンパク質品質管理ユビキチンリガーゼと想定されるCHIPのノックアウトマウスの作製に成功しており、このマウスについて解析を行った。このマウスは、外見上野生型の同腹仔に比して、体重が1/2〜2/3しかなく、多くが生後1週程度で死亡した。一部生き残ったものも、およそ生後5ヶ月ころからあきらかな筋力低下症状を示すようになった。またオス、メスとも生殖可能ではあるが、妊娠能力が低かった。現在この原因を解析するために詳細に組織学的検索を行っているところである。タンパク質品質管理の破綻と神経変性疾患の関連が現在非常に注目されているが、このCHIPノックアウトマウスにおいて特筆すべき表現型は、生後数ヶ月で小脳失調様の歩行を呈することである。しかし、現在のところ組織学的に異常タンパク質の蓄積や神経細胞死などは観察されていない。これはマウスの寿命が短いためにタンパク質の凝集が観察されにくいためかもしれない。この表現型をさらに観察しやすくするために、変性タンパク質に対する生体応答にどのように関わるかを個体で観察する目的で、ハンチントン舞踏病モデルマウスであるHDQ150(ポリグルタミン繰り返し配列を150含むhuntingtin)ノックインマウスおよび小脳失調モデルマウスであるLurcherマウス(GRID2 mutation)と、CHIP欠損マウスとの交配を進めており、現在CHIP欠損がマウスハンチントン舞踏病や小脳失調発症に及ぼす影響を観察中である。 また今年度は新たにCHIPと物理的、機能的に協調してはたらくHsj-1という分子を見いだした。Hsj-1はDnaJドメインとともにユビキチン結合モチーフであるUIMを併せ持ち、CHIPによる変性タンパク質のユビキチン化を促進するとともに、ユビキチン化タンパク質を受け取る機能を持つ。さらに興味深いことにHsj-1もCHIPと同様に神経細胞特異的な発現を示す。このことからCHIPとHsj-1が神経細胞における品質管理に連携して働いていることが示唆される。現在さらにHsj-1ノックアウトマウスを作製中であり、このマウスとCHIPノックアウトマウスの交配によりさらに神経細胞におけるタンパク質品質管理の重要性が明らかになることが期待される。
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