研究課題/領域番号 |
14780617
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
尾崎 繁 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60292546)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脊髄 / 運動ニューロン / 後根神経節ニューロン / la群線維 / BAX / アポトーシス / DRGニューロン / 発生 / BCL-2 |
研究概要 |
筋紡錘由来の一次求心性線維(la群線維)とその同名筋を支配する運動ニューロンからなる脊髄伸張反射路の形成には、両者共通の末梢標的である筋由来の因子が重要な機能を持つと考えられているが、その作用機序は不明である。 新生動物の末梢神経を切断すると、それを支配する運動ニューロンと後根神経節(DRG)ニューロンにアポトーシス性の細胞死が誘発されることが知られている。我々は出生直後のマウスの坐骨神経を切断し、1週齢のアポトーシス制御遺伝子Baxの欠損(Bax-/-)マウスと野生型マウスの伸張反射路岸比較検討した。野生型マウスの坐骨神経切断で誘発される運動ニューロンとDRGニューロンの細胞死は、Bax-/-では抑制されることを明らかとなった。また、坐骨神経へ軸索を送る第4腰髄背外側部の運動ニューロンとそこへ投射する一次求心性線維(la群線維)を二重染色した結果、Bax-/-の第4腰髄背外側部ではla群線維から運動ニューロンへの直接投射が、坐骨神経を切断しても形態学的に保存されていることが明らかとなった。さらに電気生理学的解析より、この坐骨神経切断も保存されたBax-/-の伸張反射の単シナプス性結合は機能していることが示唆された。 さらに、Bax-/-で観察された自然細胞死の抑制により過剰に生き残ったDRGニューロンの末梢標的である筋の感覚器(筋紡錘)への投射を形態学的に解析した。5日齢Bax-/-の足底筋では、野生型のそれと比して多くの筋紡錘感覚終末が観察されたが、これら感覚終末は矮小していた。この結果より、筋紡錘感覚終末の形成は筋由来因子の競争的獲得に依存していないこと、しかし、その成熟には筋由来因子が作用している可能性が示唆された。 現在、これらの研究成果をまとめた、脊髄伸張反射路の形成に果たす標的筋由来因子の役割に関する論文の投稿の準備中である。
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