研究実績の概要 |
本研究「鶏二分脊椎における神経回路に関する研究」において最重要な課題は鶏胚で二分脊椎をいかに正確に手術により作成するかが重要である。この1年間でモデル動物の作成成功率は格段に上がったので、今後の研究は加速されることが確実である。トレーサーによる解析は時間が掛かるので業績を着実に出す為に障害を受けた脊髄の免疫組織化学を行い、各神経伝達物質の変化を解析した。特に興奮性のグルタミン酸、アセチルコリンと、抑制性のGABAの増減に注目して解析した。さらにγ-aminobutyric acid (GABA)作動性ニューロンのサブグループであるparvalbumin (PV), calbindin-D28K (CB) , calretinin (CR)についても検討し、二分脊椎の脊髄内でこれらの抑制伝達物質が上昇していることを明らかにした。これらの物質はカルシウム結合タンパクであり、神経組織の障害時に増加することが報告されており、二分脊椎症における脊髄神経障害と大きな関係があることが想像される。
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