研究課題
特別研究員奨励費
昨年度において、Sarcosperma affinis Gagbep全草のメタノール抽出エキスに黄色ブドウ球菌由来FtsZと枯草菌由来FtsZに対する阻害活性を示すことを見いだし、単離した23種の化合物をそのうちの15種類について構造決定を行うことで、それが既知化合物であることを確認していた。本年度は、構造未決定の8種類の化合物について引き続き構造決定を進めた結果、これらが既知化合物であることを明らかとなった。これらについて、FtsZ阻害活性試験を行った結果、いずれも顕著な阻害活性は見られなかった。一方、黄色ブドウ球菌、枯草菌、恥こう菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌に対する細菌増殖抑制試験を行った結果、oleanic acidが黄色ブドウ球菌と恥こう菌に対して、10 μg/mLと2.5 μg/mLのMIC(最小阻害濃度)を示すことが明らかとなった。また、pomolic acidが黄色ブドウ球菌と枯草菌に対して5 μg/mLと10 μg/mLのMICを示すのみならず、恥こう菌に対して2.5 μg/mLの強いMICを示すことを明らかとした。次に我々は、S. affinisの次に強いFtsZ阻害活性を示したHedyotis pilulifera L.の全草メタノールエキスについて、各種クロマトグラフィーを用いて化合物の単離・精製を行った。その結果、1種類の新規化合物10-Acetylborreriageninと、25種類の既知化合物の単離・同定に成功した。いずれも顕著なFtsZ阻害活性は見られなかったものの、rotungenic acidが黄色ブドウ球菌、枯草菌、及び、恥こう菌に対して、それぞれ2.5 μg/mL、2.5 μg/mL、1.25 μg/mLの強いMIC(最小阻害濃度)を示すことを明らかとした。また、rotundic acidが、黄色ブドウ球菌に対して、2.5 μg/mLのMICを示すことが明らかとなった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Nat. Prod. Comm.
巻: 11 ページ: 365-367
Bioorganic Medicinal Chemistry Letters
巻: 25 号: 16 ページ: 3245-3250
10.1016/j.bmcl.2015.05.066
http://www.inm.u-toyama.ac.jp/napc/index.html