研究課題
特別研究員奨励費
1)鶏卵をシャーレに取り出しインキュベータ内で、鶏胚を発育させその漿尿膜(CAM)にサンプルをアプライして血管新生活性を測定するex ovo CAM assayの結果の判定が評価者の目視による判定では安定しないので、シャーレでインキュベートした鶏卵のCAMの写真を計時的に撮影し、その画像をコンピューター解析して、新生血管を定量的に測定するアッセイ系を開発した。2)この新規に開発したアッセイ系を用いて、IGFBPモジュールは投与後24時間と早い時期に血管新生を強く誘導すること、一方、TSP1モジュールはこれよりも遅く48~72時間後に同程度の効果を示すことが明らかになった。3)IGFBPモジュールが軟骨培養細胞のプロテオグリカン合成を強く促進し、血管内皮細胞による管腔形成促進作用も強く、ex ovo血管新生作用も短時間でみられることから、これに細胞外基質へのretention作用の強いTSP1モジュールを結合させたIGFBP―TSPモジュール結合体は、super cartilage regeneration作用やsuper angiogenesis作用が期待され、昨年度、この組み換え体タンパク質を調整した。本年度、これを用いたin vivoならびにex vivo実験を行う予定であったが、組み換え体タンパク質を調製する際に使用した溶媒が、生体に対して異害作用を示す(溶媒だけで鶏卵が死亡する)ことが判明して、溶媒を生理食塩水等の異害作用のない溶媒に変更することを種々試みたが、沈殿してしまい、最終年度の5ヶ月という期間内には、super active CCN2 誘導体と予想されるこのCCN2誘導体の生物作用のアッセイまでは至らなかった。生体投与実験の際には培養系に比べ、多量のCCN2を必要とするため、どうしても持ち込む溶媒量も増え異害作用が出てしまうので、この点は今後解決しなければならない重要な課題である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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