研究課題/領域番号 |
14GS0214
|
研究種目 |
学術創成研究費
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野依 良治 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 持別教授 (50022554)
|
研究分担者 |
斎藤 進 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90273268)
伊丹 健一郎 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (80311728)
大熊 毅 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (50201968)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
286,000千円 (直接経費: 233,800千円、間接経費: 52,200千円)
2006年度: 56,550千円 (直接経費: 43,500千円、間接経費: 13,050千円)
2005年度: 56,550千円 (直接経費: 43,500千円、間接経費: 13,050千円)
2004年度: 56,550千円 (直接経費: 43,500千円、間接経費: 13,050千円)
2003年度: 56,550千円 (直接経費: 43,500千円、間接経費: 13,050千円)
2002年度: 59,800千円 (直接経費: 59,800千円)
|
キーワード | 100%収率 / 100%選択性 / 分子触媒 / 還元反応 / 酸化反応 / 炭素-炭素結合生成反応 / 不斉合成 / BINAP / DPEN / ルテニウム錯体触媒 / ケトン基質 / 立体選択性 / 不斉水素化 / 水素化機構 / ルテニウム錯体 / 触媒活性 / 単純ケトン類 / 反応機構 / 分子触媒反応 / エナミド基質 / エナンチオ選択性 / 官能基化されたオレフィン類 |
研究概要 |
光学活性ジホスフィンと1,2-ジアミンをともに配位子とする一連の塩化ルテニウム(II)錯体は,2-プロパノール中,塩基の存在下,様々な単純ケトン類の不斉水素化反応において極めて高い活性と立体選択性を示す。平成18年度は、RuCl_2(diphosphine)(pica)やRuH(h^1-BH_4)(diphosphine)(pica)がt-アルキルケトン類の不斉水素化に有効であることを発見した(pica=α-picolylamine)。これまでかさ高いケトン類の不斉還元におけるアルコール生成物の鏡像体過剰率は不十分であったが、この問題を解決する新しい手法を提供できたといえる。さらに、η^6-arene/N-tosylethelenediamine-Ru錯体が、水素移動型還元のみならず水素化反応、にも有効な触媒前駆体であることを明らかにした。この手法により、非塩基性と酸性、いずれの条件下においても、ケトン類の高効率かっ高選択的な不斉水素化が可能となった。得られた結果は、基質適用範囲を大幅に拡大するとともに、ケトン基質の水素化遷移状態における金属-配位子二官能性機構を改めて支持した。 核酸や糖医薬,および液晶材料等の合成において有用な原料となり得るβ-ヒドロキシニトロアルカン化合物やβ-アミノニトロアルカン化合物、およびβ-ヒドロキシカルボニル化合物を,金属を含有しない環境調和型触媒存在下効率よく合成することにも成功した。特に、分子構造が精密に制御された酸あるいは塩基を意味する「形ある酸」および「形ある塩基」触媒を開発した。これら分子触媒を用いることで、水溶液中での高活性・高選択的化学変換に新局面をもたらした。 さらに、独自に設計・開発したロジウム錯体が、芳香環やヘテロ芳香環の炭素-水素結合を直接アリール化する優れた触媒となることも見出した。本反応はチオフェン、ビチオフェン、フラン、ピロール、インドールなどのヘテロ芳香族化合物のみならず、ベンゼン誘導体でも進行することが明らかとなった。反応機構をより詳細に理論的に解明し、今後の触媒設計指針に重要な知見を提供した。
|