研究課題
特別研究員奨励費
本申請課題では、ピリジンを有する亜鉛クロロフィル誘導体の自己集合による光捕集アンテナの構築を目的としている。本年度は、ピリジンを有する亜鉛クロロフィル誘導体が溶液中で環状オリゴマーを形成する性質に着目し、光捕集アンテナ-電荷分離複合システムの構築に成功した。具体的には、ピリジンを有する亜鉛クロロフィル誘導体1と、1の電子アクセプターであるフラーレン複合体である2を合成し、それらを溶液中で共集合させることで、側鎖にフラーレン部位を有する亜鉛クロロフィル環状四量体を構築した。電気化学測定とともにフェムト秒過渡吸収スペクトルを始めとした種々の分光測定により、フラーレンを有する亜鉛クロロフィル四量体内では、クロロフィル部位間での光励起エネルギー移動とクロロフィル部位からフラーレン部位への電子移動が連続的に起きていることが証明された。光捕集アンテナとしての亜鉛クロロフィル環状四量体はこれまでWasielewskiらによって構築されてきたが、捕集した光エネルギーを電子移動のための駆動力として利用できる環状四量体の構築は非常に困難な課題であり、本研究での構築が初の例である。この研究については、大阪大学、福住俊一教授らと共同で行い、Chem. Eur. J. にて報告した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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