研究課題/領域番号 |
14J00037
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
|
研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
松田 隆志 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2015年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2014年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 脳弓下器官 / 体液恒常性 / 塩分摂取行動 / アンジオテンシン / Nax / 光遺伝学 / 恒常性 / 高頻度逆行性レンチウイルス / 遺伝子改変マウス |
研究実績の概要 |
本研究では体液恒常性維持における塩分摂取行動を制御する神経回路機構を明らかにすることを目的とし、脳弓下器官(SFO)の神経細胞が構成する神経回路の役割や機能の解明に取り組んだ。昨年度の研究から、SFOにおいて、塩分摂取を誘導するホルモンであるアンジオテンシン II(Ang II)の受容体(AT1a)を発現している神経細胞が情動系神経核Xに投射しており、この神経細胞特異的にAT1aを欠損させたマウスでは塩欠乏時における食塩水の摂取量が減少することが分かっていた。 本年度の研究では、SFOから神経核Xに投射する神経細胞(SFO-X神経細胞)の活動を光遺伝学を用いて操作できるマウスを作成して塩分摂取行動の解析を行った。SFO-X神経細胞に光駆動性プロトンポンプを発現させ神経活動を光で抑制すると、塩欠乏時の塩分摂取行動が抑制された。正常なマウスは脱水時において塩分摂取を避ける行動を示すが、SFO-X神経細胞に光駆動性陽イオンチャネルを発現させ神経活動を光で活性化すると、脱水時においても塩分摂取行動が促進された。また、電気生理学的実験から、SFOにおいて、ナトリウム(Na)レベルセンサーのNaxがSFO-X神経細胞の活動を抑制性神経細胞を介してNa濃度依存的に抑制していることが示唆された。 以上の結果から、SFOから神経核Xに投射するAT1a発現細胞が塩分摂取行動を制御していること、さらにその神経活動はNaxによって体液Na濃度依存的に制御されていることが明らかとなった。これらは、体液状態をモニターしているSFOから塩分摂取行動を制御する神経回路をその調節機構とともに明らかにした世界で初めての成果である。今回の研究は、体液Na恒常性に関わる脳の制御機構の理解を大きく進めたものであり、食塩感受性高血圧などの疾患に対する予防や治療法開発につながる。
|
現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|