研究課題
特別研究員奨励費
昨年度に引き続いて、繊毛内腕ダイニンの規則的周期性形成の機構を探るため、クラミドモナスの既知変異株で最も内腕ダイニン欠損が大きいと考えられる変異株(pf23株)の解析を行った。第1に、pf23株での内腕ダイニンの欠損種を半定量的に決定するため、昨年度より引き続き質量分析計を用いたSpectral Counting法により、pf23株繊毛ダイニン存在量を野生型と比較した。現在までの報告とは異なり、pf23株はaからgまで存在する7種のメジャー内腕ダイニン種のうち、ダイニン種aを除く6種のダイニン種が野生型の20%以下にまで減少していることが明らかになった。第2に、pf23株の原因タンパク質であるPF23pの機能ドメインについて解析を行った。PF23pの全長cDNAの配列決定により、PF23pはN末端側にCS domainを、C末端側に5つのTPR motifを持つタンパク質であることが明らかになった。特定の変異株の解析から、PF23pのC末端側の2つのTPR motifはPF23pの機能に必須では無いことが示唆された。第3に、PF23pの細胞質内での相互作用相手を決定するために、HAタグ付きPF23pを発現するpf23株レスキュー株を用いて細胞質の免疫沈降実験を行った。結果として、複数のFAP(Flagellar Associated Protein)やHeat Shock Protein等、興味深い相互作用相手の候補が同定された。第4に、クライオ電子顕微鏡法を用いてpf23株軸糸の3次元再構成を行った。Spectral Counting法を用いて測定された各種ダイニンの繊毛内存在量結果を支持するように、ダイニン種aのdensityだけが再構成像から明確に確認できた。現在、これらの結果を投稿論文として纏めている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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