研究課題
特別研究員奨励費
本年度は,座位行動を継続した際にリアルタイムに振動で知らせる介入が,座りがちな成人の座位行動を減らせるか否かを探索的に検証した。研究デザインは並行群間ランダム化比較試験である。対象者は,自己申告による座位行動が1日8時間以上の成人男女(30~69歳)とし,地域情報誌を通じて募集した。介入期間は8週間とし,両群ともに0,1,3,5,7,8週の各7日間にわたり,姿勢評価が可能なactivPAL3 VT(PAL Technologies社,英国)を大腿前面に装着するよう求めた。介入期間中の1,3,5,7週において,対照群は姿勢評価のみ(結果のフィードバックなし),介入群は姿勢評価に加え,座位または臥位が30分以上継続した際に振動する機能を付加するとともに,各1週間の結果を翌週に返却した。主要評価項目は,ベースラインから介入中の座位時間の変化とした。本研究は,筑波大学体育系研究倫理委員会の承認(体28-62)を経て,UMIN-CTRに臨床試験登録をおこなった(UMIN000024372)。適格基準を満たす26人(男性7人,女性19人)を介入群13人,対照群13人にランダムに割り付けた。対象者全員が8週間の介入を完遂した。主要評価項目である座位時間の変化に群間差は認められなかった(対照群: -3.0 ± 4.3 min/h,介入群: -1.3 ± 3.4 min/h; P = 0.27)。副次評価項目についても同様であった。一方,両群を合わせた解析では,座位時間がベースラインに比べて介入中で有意に減少していた(平均: -2.2 min/h,95%信頼区間: -3.8, -0.6)。振動による即時フィードバックを用いた介入は,フィードバックを伴わない介入に比べた明らかな有益性は示されなかった。座位行動をモニタリングする機器の装着そのものにより座位行動が減少する可能性が示された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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