研究課題/領域番号 |
14J00562
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 卓也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2014年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 離乳 / チンパンジー / 進化 / 障害児 / 授乳 / 採食 / 母子関係 / 発達 / 幼児期の食物 / 人類進化 / マハレ山塊国立公園 / アカンボウ |
研究実績の概要 |
野生チンパンジーの長期調査による研究成果から、30-36月齢以上の子は、孤児になっても生き残る可能性があるなど、これまで母親視点で「離乳時期(=アカンボウ期の終わり)」とされてきた4-5歳よりも早い段階で、チンパンジーの子は栄養的な離乳を迎えていることが示唆されている。そこで、栄養的離乳の時期と考えられる30-36月齢において、採食行動に関するどういった発達変化が起きているかを分析した。分析対象はマハレ山塊国立公園のM集団に属するチンパンジーのアカンボウのべ18頭の行動データ約521時間分である。その結果、葉を採食する時間割合が、栄養的離乳の時期と考えられる30-36月齢で増加する傾向があることが示唆された。また、他個体から分配を受けたものを採食した時間割合は、30-36月齢で減少する傾向があった。葉は二次代謝物を多く含み、消化器官の未発達な子にとっては採食困難なものである。また、分厚い殻に覆われた果実など、子が自力で採食困難なものを食べる際に、他個体から食物分配を受ける傾向がある。つまり、これらの結果から、チンパンジーのアカンボウの栄養的離乳は、消化器官の発達に伴い葉の採食時間が増加することや、採食困難な食物を自力で採食可能になるといった、採食行動の質的な変化が基盤となっていることが示唆された。これらの分析結果は、チンパンジーの栄養的離乳が3歳前後で起こっているという先行研究の結果を補強するものであり、チンパンジーのアカンボウ期を4-5歳としたときの「ヒトの離乳期の短縮」について、再考する必要があることを示唆するものである。さらに、先天的な障害のある野生チンパンジーの情報を事例報告としてまとめた。本事例は、「母乳への依存度の解明」という申請時の研究目的について、「チンパンジーの子は2歳近くになると、ある程度自力で食物を採食する必要がある」と示唆するものである。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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