研究課題
特別研究員奨励費
(1)PoGO+気球実験におけるフライト運用・フライトデータ解析PoGO+気球実験は、日本とスウェーデンのチームが中心に進めているものであり、これまでに観測された事が殆ど無い硬X線帯域での偏光観測を狙ったミッションである。私は、2016年夏に実施されたPoGO+のフライトの運用と、フライト後に回収されたデータを解析し、フライト中の検出器の振る舞いを調べ、偏光解析を行うために必要な情報を得た。更に、Swift/BAT, MAXIがこれまでに観測してきた10年以上のデータを用いて、PoGO+が観測したスペクトルに近いと考えられる時期を調べ、その時期のSuzakuのデータ解析を行い、観測天体であるCyg X-1の応答関数を作成するために必要な、PoGO+の観測中のCyg X-1のスペクトルのパラメータを推定した。その結果をチームに報告し、私の解析結果をもとに、チームのメンバーがシミュレーションを行い、検出器の応答関数を作成している。(2)X線のスペクトル/タイミング解析によるCyg X-1のブラックホールスピンの研究ブラックホールスピンを測定することは、降着流から起こる相対論的ジェットへの効果を理解するために重要である。Cyg X-1はとても高いブラックホールスピン(a>0.9)が推定されているが、これはテイルをどの様にモデル化するかに依存する。私は、Suzakuが観測したコンプトンテイルが観測至上最も小さな新しいデータを用いて、降着円盤と高エネルギーコンプトン成分の間に追加成分がある新しいモデルでフィットすると、有意に良くスペクトルを再現し、低いブラックホールスピンの値を与えることを突き止めた。本研究の結果、追加の熱的成分を持つモデルの方が有意に良くスペクトルを再現できることを示し、タイミング解析によって無矛盾性を確認した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 印刷中
Fifth International Fermi Symposium Proceedings
巻: 1
Suzaku-MAXI 2014: Expanding the Frontiers of the X-ray Universe, proceedings of a conference held 19-22 February, 2014 at Ehime University, Japan.
巻: 1 ページ: 166167-166167
5th Fermi Symposium : Nagoya, Japan : 20-24 Oct, 2014, proceedings