研究課題
特別研究員奨励費
本研究では,高性能な薄形ネオジム磁石のマイクロデバイス応用を目的とする.このため,H27年度までに,厚み数μmのスパッタで形成する磁石,厚み数十μmのPLD法で形成する磁石,および厚み数百μmの焼結法で形成する磁石に対し,幅数百μmの微細着磁を実現した.H28年度は,1)焼結磁石に対する簡易な微細着磁法,2)ウェハレベルのスパッタ磁石に対する微細加工と耐熱性調査を実施した.1)H27年度に実現した微細着磁は,ダイシングにより溝加工した薄形磁石をレーザ加熱することで,非加熱部への面内方向熱伝導を抑制し,加熱部のみを昇温させたが,この溝加工が量産化・低コスト化の妨げになる点が課題として残っていた.これに対し,溝加工不要で局所加熱も不要な微細着磁法を検討した.本手法では,微細着磁したい薄形ネオジム磁石を上下から幅数百μmのサマコバ磁石で挟み込みそのまま全体を加熱する.昇温で保磁力が下がるネオジム磁石を,耐熱性の高いサマコバ磁石からの磁場で着磁する.簡易化した本手法により,発生磁場は目標の6割程度と不十分なものの,幅500μmでN極S極が繰り返す微細着磁を実現した.2)MEMS技術の大きな利点の一つとして,大ウェハ上に同時大量生産できる点が挙げられる.本研究ではウェハサイズ数-十mmのものを簡易的に利用してきたが,具体的なMEMS応用に向け,4インチウェハ全面に微細な小形磁石を集積化するプロセスを検討した.磁石にはスパッタで形成する厚み20μmのネオジム系のものを利用し,微細加工の最小幅は20μmとした.DRIEで溝加工したSi基板上に磁石を堆積し,その後凸上の不要部を研磨により除去することで,概ね目標とする形状に磁石を加工することができた.また本磁石の耐熱温度を,各温度の磁化曲線測定により調査し,大きな反磁場下においても,350Kまでは不可逆減磁しないことを確認した.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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