本研究テーマは,proactiveコーピングとpreventiveコーピングから構成される指向コーピングが大学から職場への移行に及ぼす影響を検討することである。これについては,以下のように大きく2つの部分を分けて検討を行っている:①将来指向コーピングに関する個人特性(以下では,将来指向コーピングスタイルとよぶ)とコンピテンス(以下では,将来指向コーピングコンピテンスとよぶ)が,大学から職場への移行前に就職活動のプロセスと就職への認知的評価に及ぼす影響,および移行後に職場ストレス対処プロセスに及ぼす影響,②就職前に大学から職場への移行に対して実際に行った将来指向コーピングに関する認知的・行動的努力(以下では,将来指向コーピング方略と呼ぶ)が,大学から職場への移行後の職場適応感に及ぼす影響,についての検討である。 2015年度,主に②に関わって,以下の研究のデータの分析を行った。大学から職場への移行に対する将来指向コーピング方略が,就職1ヵ月後(研究5,国内学会発表済み),就職6ヵ月後(研究6)および,就職1年後の職場適応感(研究7)に及ぼす影響について,検討を行う。 (実業1)研究6に関しては,研究結果については,4th World Congress on Positive Psychologyに“The Effect of Proactive Coping on Transition Form College to Work”というタイトルでポスター発表を行った。 (実業2)研究7に関しては,データの収集を行った。そして,データ分析を行い,その結果については,31st International Congress of Psychologyに“The effect of proactive coping strategies on transition form college to work: an one-year follow-up”というタイトルでポスター発表を申し込み,受付された。
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