研究課題
特別研究員奨励費
本年度において当該研究者は、二つの研究テーマを遂行し、以下に示す成果をあげた。1.tert-ブトキシラジカルによって引き起こされるへテロアリールスルホンによるアミドのα-アリール化反応:当該研究者は前年度すでに、ラジカル種の芳香環への付加および脱離からなるHomolytic Aromatic Substitution(HAS)機構による、スルホニルアレーンを用いたアルキルアミンのα-アリール化を報告した。研究者は、このα-アリール化される脂肪族化合物の適用範囲を、アルキルアミドに拡大することを目的として研究を進めた。種々の反応条件を探索したところ、化学量論量のtert-ブトキシラジカル源を用いて、へテロアリールスルホンによるアミドのα-アリール化を達成した。この反応は、生理活性を持つ化合物に多く見られるアゾール環を、アミドの窒素原子の隣の炭素に導入できるので、医薬品の合成探索などに大きく活用できるものといえる。2.tert-ブトキシラジカルによって引き起こされるハロゲン化アリールによるアルコールのα-アリール化反応:前年度までに、研究者はすでに上記のHAS機構によるハロゲン化アリールを用いたアルキルアミンのα-アリール化を報告していた。基質適用範囲の拡大の検討のなかで、炭酸バリウムを添加剤として用いると、アルコールに対しても同様のα-アリール化反応が進行することをみつけた。本反応は2級および1級のアルコールに適用でき、以前に報告したハロゲン化アリールのアレーンへの還元反応と競合せずにα-アリールアルコールのみが得られる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件)
Synlett
巻: 27 号: 05 ページ: 741-744
10.1055/s-0035-1561342
Organic and Biomolecular Chemistry
巻: 12 号: 38 ページ: 7469-7473
10.1039/c4ob01253d