研究実績の概要 |
COMMD1はHIV-1感染や腫瘍細胞の生存、慢性炎症など様々な疾患に関与している。また、これまでの研究によりHIV-1潜伏感染細胞においてCOMMD1はHIV-1潜伏感染の維持を増強する因子であると見出した。COMMD1の発現制御機構の解明は、タンパク質レベルにおける発現制御の解明が行われている一方で、転写制御における検討は全く行われていない。本研究では、COMMD1の発現制御を検討するために、COMMD1プロモーターコンストラクトの作製を行った。U937細胞からDNAを回収し、-1k, -0.5k, -0.25k, -0.05kのCOMMD1プロモーター領域をPCR法により増幅し、pGL4ベクターにクローニングした。得られたコンストラクトを用いてルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、-0.5kコンストラクトで最も高い活性を示した。また、他のコンストラクトにおいても活性があることが示された。さらに、Sp1過剰発現においてプロモーター活性およびmRNA発現の増加が確認された。一方で、Sp1の阻害剤であるmithramycin A処理においてプロモーター活性およびmRNA発現が抑制された。COMMD1プロモーター領域へのSp1の結合が確認された。以上より、Sp1はCOMMD1の転写を制御していることが明らかになり、HIV-1潜伏感染細胞における発現誘導を担っている因子の1つである可能性が示唆された。
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