研究課題
特別研究員奨励費
主要な排水処理方式である活性汚泥法は、好気微生物による有機物除去を促すための空気供給および余剰汚泥処理に多大なエネルギー・コストを要している。また、汚泥処理過程で生じる温暖効果ガス排出も重要な課題であり、創エネルギーかつ省エネルギーであり環境問題に配慮した技術の開発が排水処理に求められている。バイオ燃料電池(MFC)は創エネルギーかつ省エネルギーな次世代型水処理技術であるが、既往の処理技術に比べて建設コストが高いこと、嫌気処理であるため処理水質が悪く、処理水質向上のためには更なる後段処理の導入が必要であるなど課題が多い。そこで本研究員は「省エネルギー」、「CO2排出量削減」、「高品位な処理水確保」が可能な汚泥処理システムの構築を研究目的とし、MFCと膜分離活性汚泥法(MBR)の統合効果の検証を行った。本年度の研究成果は大きく2つある。まず、顕著なファウリング進行能力を有する菌株(FCB)の特徴解明を行った。都市下水を処理するMBRより得た菌株をラボスケールクロスフロー引抜き装置内で純粋培養し、ファウリング進行能力を評価することでFCBを特定した。また最大増殖速度などの特性評価を行い、FCBと関連が高い因子の解明を行った。その結果、単離株のファウリング進行能力予見には、株レベル以上の塩基配列同定が必要であることが分かった。また、FCBは含水率の高いコロニーを形成し、親水性有機物、糖を多く含む有機物を分泌する傾向があることを明らかにした。次に、MFCへのMBR導入による膜ファウリング抑制効果の検証のため、外部抵抗値が異なる膜分離型バイオ燃料電池を構築し、膜ファウリング進行能力の評価を比較した。その結果、MFCには膜ファウリング抑制能力があり、発電流量が大きいほど膜ファウリングは抑制され、ファウリング関連物質であるバイオポリマーの生産量が低減することが分かった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Environmental Science and Technology
巻: 48(19) 号: 19 ページ: 11204-11210
10.1021/es5021197