研究課題
特別研究員奨励費
前年度に引き続き、ナノファイバートラップを用いた実験を行った。とりわけ、課題であった少数多体系物理の探求に向けて、複数の実験装置を協調動作させる必要から、今年度の大きな部分を複数の装置開発およびそれらの協調動作に向けた新規システムの開発にあてた。ナノファイバートラップに関する実験技術も、従来の光トラップに比べ開発されて日も浅い中で、様々な工夫を追加しこれまでよりも多くの原子をトラップ、光と相互作用させることに成功した。さらに、十分高性能なナノファイバーを超高真空槽内に設置し、先のナノファイバートラップと組み合わせる最先端の装置を2台作製した。それぞれのナノファイバートラップとファイバーブラッググレーティングと呼ばれる光ファイバーに直接埋め込まれたミラーを組み合わせ、光共振器を構成、それらとレーザー冷却システムを統合し、原子と共振器中の電磁場との結合を評価した。その結果として作製した2台ともで原子と共振器が結合している様子を観測した。これらの新規立ち上げした装置で今後の実験に耐えうる性能を確認した点は将来の発展を考えても大変重要な成果といえる。また、本研究のように複数台の独立したレーザー冷却システムを協調動作させる実験は世界的に見てもあまり例がなく、それらを踏まえても開発段階として十分な成果をあげられたと判断している。さらにそれらに加え、旧来の装置でのイッテルビウム原子の特性を活かした成果に関する論文も受理され、今後の発展的な実験に向けて着実に成果を上げたと言える。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Nature Communications
巻: 7 号: 1 ページ: 1-8
10.1038/ncomms11341
120005829446
Physical Review Letters
巻: 115 号: 9 ページ: 093603-093603
10.1103/physrevlett.115.093603
Scientific Reports
巻: 4 号: 1 ページ: 4785-4785
10.1038/srep04785