研究課題
特別研究員奨励費
2-アルキルアザアレーン類のアルキル側鎖C(α)位は比較的酸性度が高く強塩基存在下において求核剤であるアザアリルアニオン種を発生させることができる。この化学種を炭素求核剤としたパラジウム触媒による辻-トロストアリル化反応が知られている。しかし、この方法論では強塩基を用いるため官能基許容性に課題が残っている。前年度では、パラジウム触媒による2-アルキルアザアレーン類のアルキル側鎖C(sp3)-H結合のアリル化反応が外部塩基を添加することなく、温和な条件下で進行することを見出している。さらには新たに開発した新規キラルモノホスフィン配位子から調整したパラジウム触媒を用いることで、第1級炭酸アリルと2-アルキルピリジン類との反応が中程度のエナンチオ選択性で進行することを見出している。本年度では、高いエナンチオ選択性を発現できる新規配位子を新たに合成し、それを用いる事でアリル化反応が高いエナンチオ選択性で進行する事を見出した。具体的には、2-アルキルアザアレーン類のアルキル側鎖C(sp3)-H結合のエナンチオ選択的アリル化反応が、触媒量のPd(dba)2 (5 mol%)、不斉モノホスフィン配位子 (5 mol%)存在下、アセトニトリル溶媒中-20 度で高エナンチオ選択的に進行した。本反応は外部塩基を用いないため、優れた官能基許容性を有し、高い位置選択性でアリル化反応が進行する。この事から、光学活性なアルキルアザアレ-ン類を合成できるため有機合成上価値のある反応であると言える。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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