研究課題
特別研究員奨励費
本研究員は海洋におけるバイオマスが高いフェオダリア類 (単細胞動物プランクトン) に注目し、次の3つのテーマを設定して研究を進めている。テーマ1: フェオダリア類の系統関係と多様性解明、テーマ2: フェオダリア類の分布制限要因と物質循環における役割の解明、テーマ3: フェオダリア類を含めた動物プランクトン食物網の海域間比較。テーマ1に関しては、フェオダリア類全ての目に属する39標本の18S rDNAを分析し、フェオダリア類全体がケルコゾア類に属する単系統群であること、および形態に基づいた既存の分類体系と系統樹の樹形とに大きな齟齬が見られる事を解明した。以上の新知見については、当該分野のリーディングジャーナルであるProtist誌に原著論文が掲載された。テーマ2について、前述の北半球における広範囲な採集を行い、同海域におけるフェオダリア類について出現種とバイオマスの季節変化をモニタリングした。その結果、日本海の深海にフェオダリア類の未記載種が生息している事が明らかとなった。本種は日本海固有水中にのみ分布している可能性が高く、日本海固有の生態系を考える上で重要な要素となる可能性がある。本種に関する新種記載論文を執筆し、本稿は国際誌Journal of Eukaryotic Microbiologyに掲載された。テーマ3に関して、フェオダリア類を含めた動物プランクトン試料の安定同位体分析を行い、食物網構造の海域間比較を行った。本テーマについては現在データを解析中であり、その成果は投稿論文として学術誌へ投稿する予定である。以上の研究成果に関しては、3つの国内学会にて、合計5回の口頭発表を行った。このうち2015年日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会では本研究が大きな注目を集め、同大会の学生優秀発表賞 (口頭発表)を受賞した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
Journal of Eukaryotic Microbiology
巻: 63 号: 2 ページ: 271-274
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Marine Protists: Diversity and dynamics. (eds. Otsuka, S., Suzaki, T., Horiguchi, T., Suzuki, N. and Not, F.)
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日本プランクトン学会報
巻: 62 ページ: 110-122
130007614208
Marine Protists: Diversity and dynamics、Springer
巻: 印刷中
http://www.letelegramme.fr/finistere/morlaix/le-plancton-decouverte-en-images-26-02-2015-10538882.php