研究課題
特別研究員奨励費
1.学習スキルズと社会スキルズの相関関係についての検討:注意欠陥多動性症候群(ADHD)のある児童と自閉症スペクトラム障がい(ASD)児に対して,日常生活での行動問題に違いが見られるかを,行動問題チェックリスト(CBCL)を用いて検討し,CBCLの各得点と単語の読み能力や文章理解能力,非言語性知能,さらには認知的処理能力との間に相関関係が見られるかを検討した。その結果,両群ともに文章理解能力はあるが,それを社会スキルズにおける外在的・内在的な行動に移すことが困難であることを示唆した。また,ADHD児群において,異常脳波のある群とない群において,認知面・行動面で違いが見られるかを検討し,その成果を分析中である。さらには,ADHD児群とてんかん群において,注意の抑制機能に違いが見られるかを,近赤外分光法(NIRS)を用いて計測し,分析した。その結果,てんかん群の方が,認知的抑制がかかりにくいことを示唆した。2.学習に付随した神経基盤の変容の解明と学位取得・成果報告:以前開発した学習支援プログラムを再構成し,刺激の提示方法により学習効率が異なるかを検討することとした。まず漢字パーツや漢字全体を時系列に提示した際に,パーツごとを時系列に提示した方が5名の書字困難児にとって漢字書字につながりやすく,維持率が高いことを示した。また,文節単位による繰り返し読みを行うことで,発達障がい児の文章理解が向上しただけでなく,視線停留1回あたりの注視時間が長くなったことを明らかにした。これらの結果は,発達障がい児が文章全体で繰り返し読みをした場合や,定型発達児の結果とは異なる傾向を示し,発達障がい児が文章理解を向上させるためには,文章中から単語を視覚的に同定できるようになることが必要であったことを示唆した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)
The Psychological Record
巻: 65 号: 2 ページ: 401-410
10.1007/s40732-014-0114-z
Congenital anomalie
巻: 54 号: 4 ページ: 225-227
10.1111/cga.12065