研究課題/領域番号 |
14J03652
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
有機・ハイブリッド材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宇野 何岸 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2016年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2016年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2015年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2014年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | シアニン色素 / 生細胞バイオイメージング / 核酸蛍光染色 / Turn-On蛍光プローブ / 超解像顕微鏡 / 光線力学的治療法 / ニ光子顕微鏡 / 蛍光性フォトクロミック分子 / DNA染色 / バイオーメージング / Turn-On 蛍光スイッチ / 蛍光性ジアリールエテン / 核染色 / 近赤外発光色素 |
研究実績の概要 |
DNAの蛍光検出プローブ開発において、長波長のレーザー光(500 nm以上)で励起可能、かつ細胞透過性を示すプローブ分子が強く求められている。現在知られている1000以上の蛍光シグナル増幅を示すDNA染色分子主に非対称シアニン色素のThiazole Orange (TO)及びOxazole Yellow(YO)骨格に誘導体(TOPRO dyes and TOTO dyes)に限られており、いずれの分子も500 nm以下の波長光でしか励起ができないという問題点があることに加え、TOとYOやその誘導体はRNAに対しても同様な蛍光シグナルの増幅を示す。本研究では、上記の問題点を一挙に克服する新規DNAの蛍光染色プローブを開発した。まず始めに設計した分子の吸収スペクトル見積もるために、色素を量子化学計算で見積もった。その中からTO及びYOより優れた計算結果を示す分子を実際に合成した。開発した分子は市販の試薬より3ステップ合成できる合成ルートを確立した。合成した分子群は予想通り532 nmと561 nmのレーザーで励起可能な色素であった。またDNAと結合前後の蛍光シグナルは1000~1500倍の増幅値を示しただけでなく、RNAに対する選択制が非常に乏しいことが明らかとなった。これに加え新しく合成した分子群は、(531 nm・561 nm)のレーザー光で励起可能であるだけでなく、高い水溶性、優れた光耐久性、1000倍以上の蛍光強度の増幅を示すことが明らかとなった。以上の性質はこれまでに報告されたDNA蛍光染色プローブの性能を遥かに上回り、革新的なDNAプローブであると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定では、博士課程一年目で、SYBR-Greenの物性解明を、博士課程二年目では、SYBR-Greenを元にしたフルカラーTurn-On型蛍光染色プローブの開発を、最後に年には光線力学的治療(PhotoDynamicTherapy)のプローブ開発へと発展させる予定であった。 しかし、二年目の研究過程で、SYBR-Greenの光物性は遥かに上回るDNA染色色素の開発に成功したため、現在はこの蛍光色素の研究に従事している。
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今後の研究の推進方策 |
博士課程三年では新規開発したDNA染色プローブを用い、ニ光子顕微鏡、STED顕微鏡を用いた生細胞の核のイメージングを行うこととした。 具体的には、名古屋大学ITbMライブイメージングセンター内の様々な顕微鏡を使って、開発した色素の生細胞の核染色イメージングを行う予定である。 また、その他の光物性(光耐久性、DNA/RNA選択性、ニ光子断面積値)等に関しては、他大学と共同研究を行っていく予定である。 今開発した色素は、主に532nm及び561 nmにレーザー源で励起可能であるが、合成した分子骨格にπ共役を拡張することで、633 nmのレーザーで光励起可能な分子の合成にも着手する予定である。
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