研究課題/領域番号 |
14J03794
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
坂口 太郎 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 鎌倉後期の王権 / 真言密教 / 大覚寺統 / 後宇多院 / 後醍醐天皇 / 聖教 / 文観 / 網野善彦 |
研究実績の概要 |
まず、本年度の始めに論文「鎌倉後期宮廷の密教儀礼と王家重宝―清浄光寺蔵「後醍醐天皇像」の背景―」(『日本史研究』第620号)を発表した。これは、網野善彦氏が『異形の王権』(平凡社、1986年)で取り上げて有名となった、「後醍醐天皇像」の背景をなす密教儀礼について論じたものである。とくに、後醍醐像の附属文書である『清浄光寺記録』に記された、後醍醐とその側近僧 文観が行なったという瑜祇灌頂の史実性を考証した。さらに、後醍醐が灌頂の際に着用した装束が、古代の伝説上の天皇にまつわる礼服・冕冠であったことを明らかにし、これらの装束が即位灌頂と深く関係していたことを論じた。そして、鎌倉後期の院・天皇が行なった即位灌頂の実態を踏まえた上で、鎌倉幕府打倒を目指す後醍醐が、自己の権威を強化すべく灌頂を行なったと結論付けた。 つぎに、青土社の依頼を受けて『現代思想』2015年2月臨時増刊号に、網野善彦『異形の王権』に関する学説史的な小論を発表した。同書が後醍醐研究にとってエポックとなった著作である一方、網野の後醍醐論には現代天皇制への強い批判が込められていること、そのために実証性を欠落させた部分や論理の飛躍があることを指摘した。また、1990年代に発表された、王権と密教に関する諸研究の成果と問題点を論じた。 このほか、各史料所蔵機関で中世前期の古記録・古文書・史籍・聖教など、およそ百数十点を調査した。この中には、院政期から南北朝期に至る政治史・仏教史・文化史に関わる新史料が多数含まれており、学界未知の重大な史実を伝える内容もみられる(重要なものについては、今後長期的に周到・綿密な検討を加えた上で発表することを予定)。とくに本研究に関わるものとして、高野山大学図書館に所蔵されている金剛三昧院・真別処・三宝院・持明院・光明院などの聖教類が重要な意味を持つことだけを付記しておく。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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