本研究の目的は、北インドのチベット系社会「スピティ」において近年の選挙活動を媒介としながら新たに形成されている共系親族集団nirinに照準を合わせ、その複雑な実態と選挙への影響を解明することである。 2年目である平成27年度は、1年目に行った長期調査のデータをまとめ、整理、分析した上で、テーマや調査地に関連する文献収集、精読を行った上で、データと理論の突き合わせを行った。その過程で、「日本文化人類学会第49回研究大会」において研究発表を行った。また、昨年度に投稿した論文に書ききれなかったテーマについて、その後の成果も踏まえた上で2015年7月に雑誌『チベット文化研究会報』に論文を投稿した。2015年11月から12月にかけては、2015年11月26日に開催された村落自治体の村長選挙の調査を行うために現地に赴いた。その調査結果を踏まえた上で、「第40回南アジア・インド洋世界研究会」と「南アジア博論セミナー」において研究発表を行った。
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