研究課題
特別研究員奨励費
GLOの結晶構造解析における位相決定はSulfur-SAD (以下S-SAD) 法にて行う計画であったため、S-SAD法の標準プロトコルをSphingobium sp. SYK-6株の脱メチル化酵素 (LigM) を利用して検討してきた。S-SAD法による位相決定のための回折強度データの収集は、波長2.7 Å を用いてPhoton Factory BL-1Aにて行った。S原子座標の探索はSHLEXCとSHELXDを用いた。SHELXCの結果から、SHELXDにおけるS原子の探索の分解能は3.4 Åで行ったが、分解能3.4 ÅではS原子の位置が求まらなかった。そこで、SHELXDでS原子の探索を行う際の分解能とS原子の個数を細く設定しSHELXD-grid searchをかけてみた。SHELXD-grid searchの結果、多くの条件でS原子の位置を決定することができた。また、スケーリングの分解能を2.6から3.2Åまで0.1Åずつ変化させ、SHELXD-grid searchを行ったところ、S原子の位置が決定できたと判断できる分解能とS原子の個数組み合わせに相関が得られなかった。よって、スケーリングする際の分解能が0.1Å異なるだけで、SHELXD-grid searchの結果に影響することがわかった。S-SAD法による位相決定に向けて約 2年間150以上もの回折強度データを収集し、試行錯誤データ解析を行っていたが位相決定には至っていなかったが、採用2年目にしてS-SAD法による位相決定に成功しS-SAD法の標準プロトコル作成の目標へと一歩近づいた。また、『S-SAD法による位相決定のための解析手法の検討』という新しい研究の展開も可能になると考えられた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biochemical Journal
巻: 462 号: 2 ページ: 257-265
10.1042/bj20140384