研究課題
特別研究員奨励費
採用第1年度においては,InP/Si基板上において発光層に量子ドット構造を用いたLEDの集積を行い,InP/石英基板上に量子井戸構造を発光層としたLEDを集積した.また,本手法によるInP/Si基板上へのレーザ構造の集積も試みており,年度末には低温環境下ではあるが発振動作を確認した.しかし,光配線技術に本研究が貢献できる可能性を示すには,集積されたレーザが室温環境下において発振動作することを示す必要があった.そのため,今年度はInP基板上に集積されたレーザを室温環境下において安定的に発振させることと,InP/Si基板を電気的にも機械的にもInP基板と等価に扱えるようにすることで,上述目標の達成を試みてきた.具体的には,レーザ構造の結晶成長条件出しを行うと同時に,Si基板上薄膜InP層のドープ量をInP基板のドープ量と等価な値まで増やし,電流電圧特性,及び発光効率を評価することで電気的な側面から薄膜InP層に改善を施した.また,InP-Si間の熱膨張係数差に起因する熱応力がレーザ構造を構成する結晶内部に欠陥を生じさせ,デバイスの発光効率及び寿命の低下を引き起こすことも懸念された.そこで,薄膜InP層に超格子構造と呼ばれる応力緩和層を導入し,薄膜InP層に機械的側面から改善を施した.そして,InP基板上において確立された成長条件を用いて,電気的,及び機械的に改善されたInP/Si基板上にレーザ構造を成長することで,InP/Si基板上のレーザから室温発振動作を確認した.このことは,本手法が,光デバイスの高密度集積化という点から光配線技術の進展に貢献できる可能性を示したことに相当する.そのため,学会誌にLetter論文,及びPaper論文を投稿中である.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 54 号: 3 ページ: 030208-030208
10.7567/jjap.54.030208
巻: 53 号: 11 ページ: 116502-116502
10.7567/jjap.53.116502
http://pweb.cc.sophia.ac.jp/shimolab/