当該年度においては、非線型シュレディンガー方程式の解の解析性に関して、特に時空間の両変数に関する解の実解析性に関する多くの結果を残すことが出来た。研究課題において擬共形生成作用素のライプニッツ則を擬共形不変な非線形項に対して示した。これにより時間大域解に対して、時空間変数についての実解析性を示すことができた。これは初めての結果であり、擬共形不変な非線形項に対する新たな知見を与えた。さらに非擬共形不変な非線形項に対してはライプニッツ側が成立しないが、ライプニッツ則からのずれとして現れる剰余項を等式において扱い、時間局所解の構成法に精密な結果を与える事が出来た。この結果をまとめて投稿中である。また、これまでの先行研究では、空間変数のみに関する解析性においてはゲージ不変性を仮定していたがこの条件を外して、初期値が指数減衰していて解析的ハーディー空間にも属しているとき、ガリレイ生成作用素の意味での一般化解析性の意味で解析的な解の構成が可能であることを時間大域的に示した。これを論文にまとめ現在投稿中である。また空間変数に関する解析性に関しては、指数減衰した小さな初期値に対して時間大域解を構成する方法しか知られていなかったが、指数減衰した大きな初期値に対してもガリレイ生成作用素の意味での一般化解析性が言えることをアプリオリ評価と先行研究の手法を用いて示すことが出来た。この結果を論文にまとめて投稿中である。さらにこれからは、指数モジュレーション空間を用いた解析的平滑化効果の研究が望まれる。
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