研究課題
特別研究員奨励費
1つ目に、オーファン受容体GPR39の内因性リガンドの探索を行った。これまでに、抽出物の精製及び活性評価を繰り返すうちに、活性を見失ったり構造解析に必要な量が残らなかったりすることが多々あった。長鎖で疎水性の高いペプチドの精製時の非特異的吸着を避けることは困難であるが、活性評価において平滑筋ではなく受容体の応答を指標とすればサンプル消費量を最小限に抑えられる。そこで、グレリン受容体ファミリーに属し、2型糖尿病やうつ病への関与が示唆されているオーファン受容体であるGPR39の内因性リガンドの同定を試みた。そして、ニワトリヒナの腺胃の新規抽出法抽出物を逆相HPLCにより分画し、GPR39を発現させたHEK293細胞に添加した結果、細胞内カルシウム濃度を上昇させる画分があった。今後さらに精製を進めることにより、GPR39の内因性リガンドを同定できる可能性がある。また、他のオーファン受容体についても同様に、新規抽出法による内因性リガンドの同定が期待される。2つ目に、新規ペプチドの網羅的探索を行った。平滑筋や受容体の応答を指標としてスクリーニングを行うと、それらに作用するものしか追跡することができない。そこで、新規抽出法抽出物に含まれるペプチドの網羅的な同定を試みた。まず、ニワトリヒナの脳の新規抽出法抽出物をゲル濾過HPLCにより分画し、さらに各画分をSDS-PAGEにより分離した。そして、数十本のバンドの中から無作為に約8kDaのバンドを切り出し、ゲル内トリプシン消化を行い、nanoLC-MS/MSにより解析した。その結果、良好なMS/MSスペクトルが得られ、データベースと照合したところユビキチンと判明した。ユビキチンは既知のタンパク質であったが、今後、同様に他のバンドの解析を進めることにより新規ペプチドを同定できる可能性がある。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件)
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