研究課題
特別研究員奨励費
本研究は,宇宙構造物の輸送・建設技術として重要な構造形式の一種である展開構造の新たなコンセプトの提案,並びにその動力学的構造解析手法の構築を目的としている。これまでの研究では,太陽電池パネルを想定した無数の正方形パネルの平面直交二方向同展開を可能にする「連動式パネルユニット」を提案している。本年度は主に下記の(1)~(3)を行なった。(1)これまでの研究では,宇宙空間において固定端がない正方形パネルを連続体として動力学にモデル化し,「連動式パネルユニット」の展開挙動を表わす支配方程式を導出している。本年度は,導出した支配方程式を用い,回転バネと粘性ダンパーを用いて展開する場合の振動制御理論を発表した。本成果からは,展開後のロック時に衝撃が加わらないように過減衰で展開を止めるために必要な最小限の粘性減衰抵抗を推定することができる。(2)展開構造を宇宙で展開した後,その形状を保持するためロック機構に作用する衝撃力は,その後の構造全体の振動の原因となる。そのため,アクチュエータで展開する場合には,展開終了直前にブレーキをかけて,展開速度・加速度をゼロにして展開を止める必要がある。本年度は,その展開動力の推定法として,展開挙動の支配方程式ならびに高次関数を用いた逆動力学法を一般化し,加えて,三角関数を用いた計算法を新たに発表した。(3)これまでの研究で提案してきた「連動式パネルユニット」は,正方形パネルの面内方向に動力を加えて展開する方式である。このことを構造力学的な観点から考えると,一般的にトラス構造物などに用いられる面内剛性の高い安定な三角形フレームでも同じような展開構造を構成できないだろうかと思われる。そこで本年度は,これまでの展開構造の発展版として,パネル平面に垂直な回転軸で三角形パネルを連結し,それらを平面直交二方向同時に収納展開できる展開構造の構成方法を発表した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 4件)
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