研究実績の概要 |
これまでに破骨細胞における、アミノ酸シグナルの役割を明らかとしてきたが、これまで細胞株でのみの結果だった。そこで本年度はまず初代培養破骨細胞において同様な結果が見られるのか否かの検討を行った。マウス骨髄由来初代培養破骨細胞において薬理学的、遺伝学的にシステムAトランスポーターを阻害し、同時に分化誘導を行った結果、TRAP陽性破骨細胞数の数は対照群と比較したところ有意な減少が認められた。続いて、Cre-loxPシステムを用い※A-Creマウスあるいは※B-Creマウスと、※C fl/lfマウスを交配させることにより、破骨前駆細胞特異的※C欠損マウスを作製し、その骨表現型の解析を行った。しかしながら、いずれの破骨前駆細胞特異的※C欠損マウスにおいても対照群と比較して、骨量等のパラメーターに有意な変化は認められなかった。一方で、アミノ酸シグナルの下流には※Dの存在が知られているので、破骨細胞特異的に※Dをノックアウトしたマウスを作成し、その骨表現型解析を同様に行った。その結果、対照群と比較して骨量は有意に減少した。本年度においては、破骨細胞特異的※C欠損マウスにおいて特に変化は認められなかったが、破骨細胞特異的※D欠損マウスにおいては変化が認められる、ということまで明らかとすることができた。 一方で私の大学での研究活動は平成26年度をもって終了することとなった。私が従事していた本研究に関しては未完成のままなので、所属研究室の後輩・受入研究者に全て実験データ・実験手技ともに引き継いだ。今後は、私が従事していたこの研究テーマに関して学術論文への投稿、学会発表など更なる発展を期待したい。なお、本研究に関してはまだ論文公開等が成されていないので、※A,B,C,D(ある遺伝子)に関しては公開を控えさせていただきます。
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