研究課題
特別研究員奨励費
前年度から論文の執筆を継続していた研究1について、国際学術雑誌「Attention, Perception & Psychophysics」誌に第1著者として掲載された。また研究2の成果は、国際学術雑誌である「Plos ONE」誌に第1著者として掲載され、国際学会であるVision Sciences Society 16th Annual Meetingおよび、日本赤ちゃん学会第17回学術集会においてポスター発表を行った。研究1・2の概要は以下記す。■研究1:生後5-8ヶ月児は投射影と陰影を手がかりに形状を知覚できるのか明らかにすることを目的とした研究を行った。実験では5-8ヶ月児を対象に、成人がボール型を知覚する陰影図形と、ディスク型を知覚する投射影図形を用い、複数の陰影(または投射影)図形の中にひとつだけ周囲と異なる投射影(または陰影)図形を検出するか検討した。その結果、図形が影として知覚できる場合にのみ、7-8ヶ月児のみ周囲と異なる図形を検出することが示され、7-8ヶ月児は陰影・投射影から、3次元形状を知覚する可能性を示した。■研究2:影の中は暗いという前提を乳児が有するか明らかにするため、影を通過する物体の不自然な明るさ変化を検出するかを、生後5-8ヶ月児を対象に検討した。実験では5-8ヶ月児を対象に、影の中を物体(ヒヨコ)が自然に通過する自然動画と、影領域では不自然に明るく変化する不自然動画に対する視覚的選好を比較した。実験の結果、7-8ヶ月児のみ不自然動画を選好した。コントロール実験において各動画から影を取除いた場合には、選好は消失した。これらの結果は、7-8ヶ月児は影の中での不自然な明るさ変化を検出できることを示唆する。生後7-8ヶ月児は、影は照明量の減少した領域であるという前提から、影を通過する物体表面の明るさを知覚する可能性が示された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)
PLoS ONE
巻: 12(3) 号: 3 ページ: e0173591-e0173591
10.1371/journal.pone.0173591
Attention, Perception, & Psychophysics
巻: 78(5) 号: 5 ページ: 1453-1459
10.3758/s13414-016-1114-7
Attention, Perception, & Psychophysics.
巻: 未定
i-Perception
巻: 6(2) 号: 2 ページ: 91-99
10.1068/i0681
Japanese Psychological Research
巻: 56(4) 号: 4 ページ: 331-339
10.1111/jpr.12057
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~ymasa/labo/sato.html