研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、障害のある人たちがサービスの受け手ではなく主体的に生活していく当事者としてのアイデンティティをどのように獲得していくか、その形成過程において障害者運動のかかわりや周囲の人たちとの関係性がどのように影響しているか、ということに重点を置いて、研究を進めた。とくに、前年度から着目している「自己決定」や「意思決定」の在り様が、どのような場面でどのような問題として立ち現れるか、について生活の観察や聞き取りを継続するとともに、周囲の働きかけがそれにどのように影響しているのか、変更を与えるかについても障害者運動や政策の動きに注視した観察などの実証的な研究を実施した。調査を通して、インペアメントの存在が、介助者や周囲との関係を困難にさせ、周囲に本人の主体性を求めさせてしまうことがあるということが示された。そこからは、インペアメントの立ち現れ方によって本人の自己決定のあり様そのものが変容するということが明らかにされた。また、障害や病によって自分の意思を表明したりすることが難しい場合には、他の者との平等を基礎として法的能力を享有するためには、自ら決定したことによる拘束から解放される方途を探ることが必要であることが示された。そこでは、意思を読み取るスキルや技術の開発をすればいいというだけではなく、自分の決定によって現在の自分の意思が否定されないことが重要である。具体的な方途を探っていくことは、今後の課題の一つである。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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センター報告
巻: 29 ページ: 280-287
ソシオロゴス
巻: 40号 ページ: 64-78
40020977932
立命館言語文化研究
巻: 28 ページ: 243-254
日本ALS協会近畿ブロック会報
巻: 78号 ページ: 4-15
病院・地域精神医学
巻: 56(3) ページ: 223-225
巻: 56(3) ページ: 220-222
http://www.arsvi.com/w/hy06.htm