研究課題
特別研究員奨励費
Cyclin-dependent kinase-like 5 (CDKL5)は主に脳に発現するプロテインキナーゼである。CDKL5の遺伝子変異はRett症候群と呼ばれる、精神発達の遅れを伴う神経疾患を引き起こす。Rett症候群の発症メカニズムを明らかにするためには、CDKL5の標的基質を探索し、そのリン酸化の意義を明らかにすることが重要である。そこで、CDKL5の内在性基質の探索を行い、Amphiphysin 1 (Amph1)がCDKL5の非常に良い基質となることを明らかにした。以降、本課題では以下の2つの内容について解析した。(1)CDKL5の基質認識機構の解析CDKL5によるAmph1リン酸化の意義を解析する中で、Amph1以外の基質が存在する可能性が考えられた。そこで、CDKL5の基質をさらに探索するために、CDKL5の基質認識機構を解析した。様々なAmph1点変異体を使用して、CDKL5の認識配列がRPXSXであることを見出した。さらに、CDKL5によるリン酸化にはCLAP領域と呼ばれるAmph1の特徴的な構造が重要であった。今後はこの情報をもとに、Amph1以外のCDKL5基質を探索する予定である。(2)ゼブラフィッシュCDKL5の機能解析これまでに哺乳動物のCDKL5の機能についての報告はあるものの、魚類のCDKL5の性質については全く明らかになっていない。そこで、ゼブラフィッシュCDKL5 (zCDKL5)のクローニングを行い、zCDKL5-S (3117 bp)とzCDKL5-L (3240 bp)の2種類のスプライスバリアントを取得した。また、zCDKL5-SとzCDKL5-Lは胚発生や組織において発現のパターンが異なることを明らかにした。zCDKL5の性質について基本的知見が得られたため、今後は個体レベルでzCDKL5の機能を解析する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
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