研究課題/領域番号 |
14J07037
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
北野 智也 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2016年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2015年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2014年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 砂糖 / 高松藩 / 高知藩 / 無株人 / 和製砂糖 / 唐紅毛砂糖荒物仲買 / 和製砂糖問屋 / 土佐藩 |
研究実績の概要 |
高知藩製砂糖の流通構造の解明に取り組んだ。これまで高知藩における砂糖の生産・流通は国産政策への関心から言及され、政策分析が主に行われてきた。しかし、政策論分析に終始している点、分析が利益を上げた局面に偏重している点に課題がある。そこで高知県立歴史民俗資料館寄託の「竹村家文書」を主に分析し、高知藩製砂糖の流通構造の復元、流通の担い手であった砂糖大問屋と国産政策の関係を検討した。以下、藩の施策を三期に区分し、要旨を述べる。 Ⅰ期は藩が砂糖生産を掌握する段階である。享和3年には、藩が甘蔗の買付を独占し、公認された製糖業者に売却していた。実際には、藩が製糖業者に甘蔗の購入費用を前貸しし、砂糖を上納させていたと想定される。一方、文化3・4年に大問屋が公認されると、大問屋も前貸しを行い、取得した砂糖を領内の小問屋や、大坂や江戸へ売り捌いた。こうして大問屋を中心とした領内外への流通ルートが形成され、藩に認められていった。 Ⅱ期は藩が流通の局面から収奪を始める段階である。文政3年、藩は大問屋が担う砂糖取引に口銀を設定した。領内売り捌きについては、文化13年に藩が認めた問屋口銭とは別に、口銀を定め、領外売り捌きについては、口銀を定めた上で、そのうち15%を問屋の口銭とした。また、文政3年以降、大坂からの要望もあり、領外への売り捌き先は大坂に限定した。 Ⅲ期は藩が収奪を強化し、大問屋に代わって領外売り捌きを担う段階である。天保期、藩は徐々に領外売り捌きに関わるようになり、文久2年には大問屋に認めた問屋口銭(領外売り捌き分)を廃止した。これを機に大問屋は領外売り捌きを担わなくなったと想定される。 一方、藩は領内売り捌きを専ら大問屋に担わせた。天保13年、藩は甘蔗代銀の前貸しを全て大問屋が行うように命じた。これら一連の施策によって高知藩製砂糖の流通は形成され、藩はそこに吸着していったのである。
|
現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|