研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は,結合振動子群に発生する安定化現象の工学的応用を見据え,振動子群に所望の現象を発生させる相互作用の解析・設計である.研究員は,数ある安定化現象の中で,振動停止現象に着目し,この現象を発生させるための相互作用の設計をおこなってきた.前年度の研究において未解決の問題は以下の2点である.問題1「振動子間の相互作用に含まれる伝送遅延が,振動子の周期に比べ相対的に長い場合,振動停止現象を誘発できない」,問題2「全振動子間で伝送遅延が等しいという仮定の下でのみ研究をおこなってきた」.実システムでは,振動子間の物理的距離や信号の伝播速度により,伝送遅延が長くなる場合も想定されるため,問題1の解決は必要不可欠である.また,実システムにおいて,全ての振動子間で伝送遅延が等しいという状況は考えにくいため,問題2についても考慮する必要がある.本年度は,上記に述べた問題1および2の解決を目的とし,研究を遂行した.問題1の解決にあたっては,時変遅延結合に着目した.本結合方法が複雑なネットワーク構造でも有効であることを解析的に証明し,ロバスト制御理論を駆使することで,伝送遅延の長さに依存しない相互作用の設計手順の提案に成功した.問題2の解決にあたっては,直積ネットワークに着目した.本ネットワークの性質を利用すれば,ネットワークを細分化して,解析が容易におこなえる.伝送遅延の異なりが,安定性にどのような影響を与えるのかを,数値的に検証した.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Physical Review E
巻: 91 号: 1 ページ: 012911-012911
10.1103/physreve.91.012911
120006719643
巻: 92 号: 4 ページ: 042928-042928
10.1103/physreve.92.042928
Chaos: An Interdisciplinary Journal of Nonlinear Science
巻: 24 号: 4 ページ: 043105-043105
10.1063/1.4896318
http://www.eis.osakafu-u.ac.jp/~ecs/