研究課題
特別研究員奨励費
本研究は,気体の断熱膨張を利用した超音速マイクロチャネルによる流による省エネルギー型超高熱流束冷却システムの確立を目的としている.冷却対象は,近年,冷却能力の不足に伴う電力コスト増加が深刻な問題となっているデータセンターにおける集積回路などの小型電子デバイスである.本研究では,10MW/m2を超える超高熱流束冷却システムの実現を目指す.この目的の達成のために今年度は,より工業的に実現が容易なマイクロ超音速ノズル形状を目指し,圧延などによっても製作が可能な片バンプノズルを提案した.数値解析によるマイクロ超音速ノズル流の温度場の評価から,本研究で新たに提案した片バンプノズルは,昨年度提案したバンプノズルと比較して流動様相に相違あるものの,断熱膨張後の温度場は概ね同程度であり,マイクロチャネルヒートシンクとして有用であることを示した.また数値解析によってノズル下流のマイクロチャネル形状,及び最適なノズル幅の検討を行い,本研究で提案するマイクロチャネルヒートシンクにおいては,ノズル幅200μm程度で緩やかな拡がり勾配を有するマイクロチャネルが最適であることが明らかとなっている.さらに本年度は,これまでに得た数値解析,及び位相シフト光干渉計を用いたマイクロチャネル内超音速流に関する知見に基づき,10mm角及び高さ15mmの銅製のマイクロチャネルヒートシンクを作製し,冷却性能試験を実施した.また冷却性能試験に先立ち,OpenFOAMを用いた冷却性能評価手法を提案している.また実験条件は,これまでの数値解析と同様に上流0.7MPa,下流は大気開放とした.本冷却性能試験の結果,本研究で提案するマイクロチャネルヒートシンクは,空冷ながら1MW/m2を超える冷却性能を有することが明らかとなっている.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)
Journal of Fluid Science and Technology
巻: 9 号: 5 ページ: JFST0069-JFST0069
10.1299/jfst.2014jfst0069
130004705256